プレイメイトのモデルからスターダムにのし上がり、07年に薬物過剰摂取のため39歳の若さでこの世を去ったアンナ・ニコール・スミスの半生を描いたオペラが、英国ロンドンで開幕した。しかし、オペラは遺族に承諾もなく制作された上に、アンナの波瀾万丈の人生を興味半分に描き彼女のイメージを汚しているとして、アンナの4歳になる娘の父親で元恋人のラリー・バークヘッド氏(38=写真右下)が異議を申し立て、法的手段も辞さないとしている。
このオペラ「アンナ・ニコール」は今月17日にロンドンのロイヤル・オペラ・ハウスで開幕したもの。アンナを演じるのは、ブロンドにやたらとデカい胸が特徴で、アンナとはお世辞にも似ているとは言えないオランダのソプラノ歌手エヴァ・マリア・ウエストブルック(40)だ。その“アンナ”が、莫大な遺産を残したアンナの前夫・石油王J・ハワード・マーシャル氏を演じるテナー歌手の乗る車椅子に馬乗りしてみたり、ストリッパーの衣装でポールダンスをしたり、巨乳を自らわしづかんでみせたり、とやりたい放題。かなり悪趣味のオペラと問題になっている。
これには、アンナの死の5か月前に生まれた娘ダニエリンちゃん(4)の父親で元恋人のラリー・バークヘッド氏が黙っちゃいなかった。彼はまず、アンナを演じるソプラノ歌手を「あんなものはアンナじゃない!」と一喝。また、内容についても「タブロイド紙の束をプロデューサーに投げつけてこれで何か作ってみろ、と制作されたような作品さ」とその薄っぺらさを指摘した。またバークヘッド氏は、オペラの作り手側が自分たち遺族に許可も得ておらず、内容の事実関係について確認もなかった、と怒り心頭である。
しかし、バークヘッド氏がもっとも強調したいのは、アンナの忘れ形見で氏が養育中の娘ダニエリンちゃんへ与える悪影響について。「いつか、娘がこの“ごみ”みたいなオペラを目にする日が来る。このオペラは、娘のダニエリンと最も関連づけたくないイメージだ」と英デイリー・メール紙の取材に語った。
オペラは来月4日までの公演予定で、すでにチケットは完売。オペラ・ハウス側は声明文で、「初日の観客はアンナ・ニコールに非常に共感・同情心を抱いて家路につき、制作側の狙いは達成できたと思います。舞台上では、アンナ本人のイメージはひとつも使っていませんし、オペラは制作陣の才能を統合して創作された作品です。」と悪びれる様子はない。
一方のバークヘッド氏は、オペラは明らかにアンナのイメージを汚しており、今後は法的手段も辞さないと語っている。母から受け継いだ美貌がすでに評判のダニエリンちゃんが、母の半生がけばけばしいオペラになるほど波瀾万丈なものだったと知るのは、果たしていつの日か…。
(TechinsightJapan編集部 ブローン菜美)