2008年に一人目の赤ちゃんを出産し、世間をそれはビックリさせた米国オレゴン州在住の“妊娠するパパ”、トーマス・ビーティさん(36)。彼(彼女?)のお腹には今、なんと3人目の赤ちゃんが宿っていることが分かった。
トーマスさんは、極めて “数奇な人生”を歩む方である。かつての名はトレイシー・ラゴリンドさんといい、ハワイではミス・コン優勝者として男性にもそれはモテた。だが性同一障害に苦しみついに性転換手術、その後はホルモン注射により男性の外見を手に入れ、2004年には妻ナンシーさんと結婚している。
上の写真は英大衆紙『Sun』が2008年4月に報じた時のもの。記事の通り、トーマスさんは人気番組「オプラ・ウィンフリー・ショー」に出演、妊娠8カ月の大きなお腹を披露した。妻ナンシーさんとの愛が深まるほどに赤ちゃんが欲しくなり、病気で子宮摘出手術を受けたナンシーさんに代わり、自分に残されている子宮の機能に望みをかけたことを告白。このようなケースもあることへの理解を世間に訴えた。
その2ヶ月後の2008年6月に一人目となる女の子を無事出産。続いて2009年6月には男の子を、そしてまさに今、3人目の子を妊娠中だそうだ。いわゆる「年子」で3人を出産とは、トーマスさんの強靭な体、医師によるホルモン・コントロールの巧みさにも驚かざるを得ない。
残念ながら、全ての人々の温かい理解を得るには至っていないトーマスさん夫妻であるが、同じようなトランス・ジェンダーの人に彼が与えた勇気は計り知れない。現在カリフォルニア在住のスコット・ムーアさんが、同様のケースで妻に代わり自分が妊娠中であることをカミングアウト。堂々とその喜びを語れるのも、トーマスさんのお陰であると讃えている。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)