今回の【ドラマの女王】は、戸田恵梨香、松田翔太主演『ライアーゲーム シーズン2』(フジテレビ系)。「オトメン・秋」に続いて、大人は見辛い火曜日の9時に越してきた元土曜深夜枠ドラマ第2弾。画面はサイケ色、話は複雑、音はうるさく、いずれにしろ「若いコしか見ないんだから。」と言われてしまえばそれまでだが、目新しいわりにはどこか懐かしさを覚える新キャストや、トランプや謎かけなど、記者みたいな昭和世代がワクワクする、そうアノ感覚がキマッている。
天才詐欺師、秋山深一(松田翔太)と共に3回戦で「LIAR GAME」を抜け出した「バカ正直」な少女・神崎直(戸田恵梨香)は、その後2年間平穏無事で幸せな日々を送っていた。そんな彼女の元に「LGT事務局」から再び1億円が届き、4回戦進出のメッセージカードも同封されていた。一度は参加を拒否する直だったが、谷村(渡辺いっけい)の口車に乗せられ再び「LIAR GAME」に身を投じることに・・・・。
今回からゲームに参加している天才的頭脳を持つ「謎の女性」葛城リョウを演じる菊地凛子。『バベル』でアカデミー賞にノミネートされたり、『カムイ外伝』で両足肉離れになって降板したり、懲りずに松山ケンイチと話題作『ノルウェイの森』に出演が決まったり、なんかテレビドラマで見るのは申し訳無い?ような女優なのだが、肝心の演技は上手いのか下手なのかこれを見るだけではあまり良く分からない。「魔女っ子風」とも「喪黒福造風」ともとれるのだが、いずれもなぜか「昭和レトロ風」ないでたちがとてもお似合い。
「劣化が激しい」と言われていたが、いつも通りな戸田と、「髪の毛増えた?」と聞きたくなる松田。主演二人の演技力も成長ゼロ。でもお話は進んでいて、ただいまセミファイナル前半戦の「天使と悪魔ゲーム」真っ最中。お互いを「天使」か「悪魔」か見極めて、腕時計みたいなもので接触して何かやっている。振り子を持ち出したり、思い出話を聞かされたり、いちいち面倒。でもちょっと楽しい。解決するたびに「なあんだ」と言いたくなるようなチープなトリック満載の「ライアーゲーム」は、昔雑誌の付録にあった日光写真とか、駄菓子屋で買ったベタベタやると煙の出る紙とか、”分かってるんだけどついやっちゃう”みたいなお楽しみを思い出す。
そして「いい年こいて」このドラマを見ている記者。決して自分からは来ないんだけど、誰かに頼まれて「ナ○コ・ナンジャタウン」などの室内ゲーム・アトラクションに付き合わされているような、そんな感じだ。このご時勢、金を一銭も使わず家族サービスしているような妙な“オトク感”を感じるのは記者だけだろうか。
(TechinsightJapan編集部 クリスタルたまき)