writer : maki

【どっちが勝ち組でショー】CoccoVS山田親太郎。沖縄県人対決

先日、ミュージックステーションでCoccoを久しぶりに見た。司会タモリとのトークを聞きながら、ふと気になることがあった。Coccoに似たしゃべりを最近どこかで聞いた気がするのだ。「山田親太郎だ!」すぐに浮かんできた。Coccoと山田親太郎。ほとんどカラーが違う二人だが共通点がある。沖縄県出身で、かなり濃い沖縄弁をしゃべることだ。畑違いではあるが、今回はこの二人に沖縄色の濃さで対決してもらおう。

Coccoは沖縄県那覇市出身で、祖父は沖縄芝居役者で芸能の血を引いているようである。1997年メジャーデビューして「強く儚い者たち」などピュアな歌詞と魂のこもった歌声が支持される。2001年4月に活動を休止するが、2004年には再開した。その間には絵本「南の島の星の砂」で絵本作家としてデビューしたり、「ゴミゼロ大作戦」で沖縄県那覇市内でミニ演奏会を行うなどの活動をしていたようだ。

2009年9月16日にアルバム「こっこさんの台所CD」が発売される。9月11日放送の「Mステ」ではその中から「絹ずれ」を熱唱してくれた。

司会のタモリとの短いトークの中でCoccoが料理にこっているという話になり、タモリから「料理はどんなところで覚えているの?」と問われた。
Coccoは
「タモリのジャングルテレビとかで・・・」
と沖縄弁のイントネーションで、しかも「タモリ」呼び捨てで答えてくれて、Coccoカラー全開だった。

そして、その喋りが実に「山田親太郎」と似ているのだ。
山田親太郎はご存知のようにモデル山田優の弟で、モデルやタレントをやっている。彼は沖縄県国頭郡恩納村出身でタレントデビュー前は大工職人をしていた。
モデルをしながらタンレントとしてバラエティーや映画などにも出ていたが、2009年4月から出演しだした「クイズヘキサゴンⅡ」で島田紳助にそのおばかキャラを引き出され、人気に火がついた。

彼もCoccoと同様に早口の沖縄弁で語尾が急速にテンションダウンするという喋りをする。
聴き取りにくい事が多く、紳助や共演者から「何て言ってるかわからない」とよく指摘されるが本人は意に介さずマイペースだ。
話の終わりなどに「チンスコー」や「サータアンダギー」などを連発して沖縄名物で煙に巻くというパターンを得意とする。
時々ウエストポーチに「チンスコー」などを入れており、話が詰まると「チンスコーあげるから」と手渡す。

山田親太郎の場合は芸風に沖縄を活用しているものの、本人は沖縄を宣伝しているという満足感があるようで、嫌味がなくナチュラルなのが魅力となっている。

一方でCoccoの場合は自分のカラーとして沖縄を前に出す気は無いようだ。ライブなどではMCも自然体らしいが、テレビ出演などでは緊張するようで短めのトークしかしないようだ。その短いトークの中で沖縄弁が光るのだから凄い。

沖縄出身のアーチストといえ安室奈美恵やSPEEDからBEGIN、オレンジレンジなどがいる。女優の仲間由紀恵らや芸人のガレッジセールなど芸能界には沖縄出身者は多いのだ。
最近まではオレンジレンジのYAMATO(ヤマト)のしゃべりがナチュラルな沖縄弁としては最高と感じていたが、Coccoと山田親太郎のしゃべりはそれを上回るインパクトがある。

Coccoの話にもどるが、彼女は普段のトークで沖縄を主張することはしないが、楽曲やエッセイなどでは沖縄の基地問題や自然保護などに触れている。さすがアーティストというところだ。

その点もふまえて、さりげなく沖縄弁を光らせるしゃべりと、沖縄への思いを作品にも表している点で今回の勝負はCoccoの勝ちとしたい。

そもそも、Coccoと山田親太郎の対決自体が無意味といわれればそれまでだが、それも「勝ち組でショー」ならではの面白みと思っていただけると幸いである。
(TechinsightJapan 編集部 真紀和泉)