人気の若手シンガー・ソングライター、ケリー・クラークソンが8月にリリースするシングルが、ビヨンセの曲の真似ではないかとして、今大変騒がれている。だがその両方とも、実は同じ人物による作曲、プロデュース。イントロを聴いて自分もビックリしたと認めるクラークソンは今、プロデューサーへの強い不信感と苛立ちを見せている。
問題となっているのは、クラークソンが3月にリリースしたアルバム “All I Ever Wanted” から8月にシングル・カットが予定されている、『Already Gone』という曲。ビヨンセの『Halo』という曲と、イントロ部分からしてソックリである。
盗作というと、メロディー・ラインが似ているという指摘が殆どだが、今回はそればかりではない。テンポ、音程、楽器の使い方、歌い始めの雰囲気までそっくりなのだ。当然のように、後発のクラークソンが真似をしたとして、人々は騒ぎ始めた。
クラークソンは「CBS News」の取材に、『Already Gone』の作曲およびプロデュースを担当したのはポップ・ロック・バンド「ワン・リパブリック」のリーダー、ライアン・テダーであり、盗作問題への配慮や過去に手掛けた作品への注意が欠けていたとして、テダーへの不信感をあらわにした。
ビヨンセの『Halo』は、ソロ・アルバム “I am…Sasha Fierce”からの4枚目のシングル・カットだが、テダーはその作曲とプロデュースにも加わっており、レコーディングからまだ1年も経っていないことから “忘れた” では済まされないとしている。
一方、売れっ子音楽プロデューサーであるテダーも、強気のコメントを出している。
「『Already Gone』は、『Bleeding Love』以来の本当に素晴らしい名曲。『Halo』とは全く別個のもの、コンセプトも曲も歌詞も違うからね。同じ曲にしてビヨンセのコピーにしてやろうなんて、そんなバカバカしいことをオレが考えるわけがないだろう?皆もっと冷静に彼女の歌を聴いてくれれば、その曲の価値が分かるはずさ。」
シンガー・ソングライターは作曲中、“広い世の中、コレとそっくりな曲がすでにあるのかも…” と、時にはふと弱気になることがあるらしい。万全の対策と知恵を以て、盗作疑惑が生じないよう細心の注意を払いたいと、アーティストだってリリース前は真剣なのだ。
だからこそ、幅広く顧客を持ち常にセンスを磨いているプロデューサーであるテダーが起用されたはずであるが…。今後テダーを起用するアーティストが減るかどうか、少し注目してみたいところである。なお、ビヨンセが訴えるという話は今のところ出ていないようだ。
YouTubeにて両方の曲を聴き比べてみたい方はこちらもどうぞ。
<ケリー・クラークソン/Already Gone>
<ビヨンセ/Halo>
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)