writer : techinsight

【3分でわかる】あずまんが大王

 11日に新装版が発売された「あずまんが大王」。連載開始から10年の時が経った今も色褪せない魅力を放つ4コマ漫画である。高校が舞台となっているこの作品には、明確なストーリーは存在しない。そこでストーリーの代わりに主な登場人物を紹介することにする。

谷崎ゆかり…英語教師。教師らしからぬ言動で生徒と友人のようにつき合っている。性格は自己中心的。
美浜ちよ…10歳で高校に編入してきた天才少女。素直で愛らしい人気者である。
榊…スポーツ万能で成績も優秀。無口で怖そうに見えるが小動物やぬいぐるみが大好き。
滝野智(とも)…元気だけがとりえの少女。ゆかりに負けず劣らずのトラブルメーカーである。
水原暦(よみ)…才色兼備の眼鏡っ子。ともとは幼なじみで長い間ツッコミ役を担当してきた。
春日歩(大阪)…大阪からの転校生。常にぼんやりしているが、独特の発想で周囲を困惑させることも。
神楽…ゆかりが体育祭のために自クラスに引き入れた体育会系少女。がさつつだが根は優しい。

 モブとしては男子生徒も登場するのだが、主な登場人物のほとんどは女子生徒である。かといっていわゆる萌え4コマではない。この辺の線引きは個人により違うと思うが、少なくとも私の中では当てはまらない。

 4コマ漫画の基本は起承転結である。もっとも大事なのは結、オチであり、ここで4コマ漫画のおもしろさが決まるといってもいいだろう。ところが萌え4コマで重要視されるべきは萌えであり、オチではない。早い話がたいしておもしろくなくても、キャラクターがかわいければいいのだ。

 しかしこの作品はおもしろい。現実にいそうでいないキャラクターたちが動き回る、ありそうでない日常。ごく不安定な世界観に、女子高生大好き教師「木村」や、榊の空想上の存在「ちよ父」などぶっ飛んだキャラクターが加わることでギャグ4コマとしてのクオリティがぐんと高まっている。

 4コマ目でオトす基本をしっかりと押さえており、その上でキャラクターの個性を楽しめるお得感。4コマ好きもそうでない人も、一度は読んでみることをおすすめする。

(TechinsightJapan編集部 三浦ヨーコ)