2009年1月10日、フラッシュアニメ映画「ピューと吹く!ジャガー ~いま、吹きにゆきます~」が公開予定となっている。原作は週刊少年ジャンプで連載中の「ピューと吹く!ジャガー」、一部の読者にカルト的な人気を誇っているうすた京介氏のギャグ漫画だ。
うすた作品がついに映画化!しかも声優として今をときめく女優・真木よう子が出演!いよいようすたの時代が来る!……などなど、ファンが胸躍らせたのはほんの数日間。すぐに真木の結婚話が流布し、ジャガーの印象は薄れてしまった。しかし真木目当てで映画を見に行く人がゼロとは言い切れない。そんな貴兄たちよ、映画館できょとんとしないためにここで予習をするのも一興ではないか。
主人公は「ジャガージュン市」、笛をこよなく愛する男。奇天烈というか、破天荒というか、とにかく我が道を進む謎の人物だ。そんなジャガーとひょんなことから深く関わることになってしまったのが酒留清彦、通称「ピヨ彦」。プロのギタリストを目指す好青年であり、常にジャガーに振り回されている。ピヨ彦が籍を置く、ミュージシャンを夢見る若者が集う「ガリクソンプロダクション」において、主にピヨ彦に笛の素晴らしさを教えるために、ジャガーは笛科の講師となった。
笛科には他にも個性的な面々が勢ぞろい。忍者風の浜渡浩満・通称「ハマー」、アイドルを目指す「白川高菜」、ジャガーに心酔する「高幡不動」。不動は影が薄いという設定のせいか、実際の物語はジャガー、ピヨ彦、ハマー、高菜の4人を中心に進められる。
さて、気になるストーリーは笛科に集う若者たちの青春活劇、ではない。彼ら4人とその周囲を取り巻く奇妙な人物たちによる奇妙な群像劇だ。ジャガーを目の敵にする悪の組織が登場し、いよいよ友情・努力・勝利の道へ進むかと思いきや、ジャガーが決闘をすっぽかしてしまったりもする。このあたりの外し方はさすがうすた氏としか言いようがない。
うすた氏といえば「セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん」のイメージが強い人もいるだろう。そこで後編では2作品の差異について述べる。
(TechinsightJapan編集部 三浦ヨーコ)